公益財団法人 小佐野記念財団

第26回最優秀作品(小学校の部)

第26回国際交流・国際理解のための
小中学生による作文コンクール最優秀作品(小学生の部)

「心と心をつなげていこう」

山梨学院大学附属小学校 六年 箕輪 岳弥

 ぼくの心は、いつだって世界とつながっています。それは、「クラシック音楽」のおかげなのです。

 クラシック音楽は、十六世紀のヨーロッパで、教会音楽や宮廷音楽として始まった音楽です。ぼくは、クラシック音楽が大好きで、毎日ピアノとヴァイオリンを弾いて、クラシック音楽を楽しんでいます。クラシック音楽を演奏する時には、音楽家たちがどんな思いを込めて作曲したのかを考えて、その思いに忠実でなければなりません。ぼくは、音楽家たちの思いに少しでも近づくために、音楽家たちの母国の文化や時代背景など、いろいろな事を学んでいます。だから、ぼくは、ヨーロッパの国の人たちのことをとても身近に感じているのです。

 これまで、ぼくは、元ウィーン国立音楽大学教授のトイフルマイヤー先生のピアノ・レッスンを受講する機会が何度かありました。先生は、笑顔の優しい大きな体のオーストリア人です。最初のレッスンでは、ポーランドの伝統的なリズムの舞曲、ショパン作曲「ポロネーズ」をみてもらいました。「ポロネーズのリズムにのって、堂々と行進する王様の行列を想像してごらん。」と先生に言われて、ぼくはすぐに想像してみました。すると、ぼくのピアノのポロネーズのリズムに合わせて、王様の行列がぎこちなく行進していく光景が浮かんできました。そのしゅん間、ぼくは、先生が何を伝えたかったのかを理解することができたのです。ぼくは、クラシック音楽が、ぼくと先生の心をしっかりとつなげてくれたのだと感じました。その後に受講したレッスンでも、毎回、ぼくと先生の心は、クラシック音楽で強くつながっていると実感しています。

 トイフルマイヤー先生のレッスンの体験を通して、ぼくは分かったことがあります。それは、人と人とは、母国が違っても、文化が違っても、言葉が違っても、二人の間に何か共感できるものさえあれば、いっしゅんで心と心をつなげることができるのだということです。そして、世界の国々の人たちと共感するためには、他国の文化や歴史を学んだり、他国の人々の悲しみや苦しみや喜びを理解したりして、世界に目を向けていくことが大切なのだと分かりました。もし、世界中のみんなが他国の人たちと共感できる何かを見つけて、一人ずつでも心をつなげることができたなら、きっとあっという間に世界中のみんなの心をつなげていくことができるはずです。それは、とても簡単で、とても単純な、だれにだってできる「国際交流」なのだと思うのです。

 これからも、ぼくは、クラシック音楽を楽しみながら、世界中の人たちと一人ずつ、心と心をつなげていきたいです。

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