公益財団法人 小佐野記念財団

第20回最優秀作品(中学校の部)

第20回国際交流・国際理解のための
小中学生による作文コンクール最優秀作品(中学校の部)

「国際交流とは」

北杜市立甲陵中学校 一年 堀内咲希

 今年の夏休み、我が家は韮崎市の姉妹都市交流事業に参加することを決めた。内容は、七月二十日から三週間の日程でカリフォルニアからの留学生がホームステイするというものだった。

 韮崎市のこの事業には、以前にも一度参加したことがある。その時は私はまだ英語を話すことができなかった。今回のホームステイは、中学生になった私の英語力を上げることを目的に参加した。でも英語を始めて四ヶ月の私にとっては、とてもドキドキする体験だった。

 我が家に来たのは、高校二年生で十六才の女の子だった。最初はお互い緊張していてあまりコミュニケーションをとることができなかった。主に母が通訳をしてくれていたので困ることはなかったが、私はなんとかして彼女とコミュニケーションをとれるように努力しようと思った。それは、小学三年生の弟が彼女と遊んでいるのを見た時のことだった。弟はジェスチャーと、知っている単語を使ってTVゲームのやり方を彼女に教えていた。そこへ小学五年生の妹も加わり、三人で楽しそうに遊び始めた。私は頭の中で英語の文章ばかり組み立てていた。しかし三人の姿を見て、言葉は入らないと感じたのだ。それから私は、父と母がいなくても兄弟の中心となって彼女とコミュニケーションをとるようにした。

 彼女は日本語はもちろん、食べ物や庭園など日本独自の文化に深く興味を持っていた。奈良・京都への旅行、茶の湯の体験、納豆、梅干し、そば打ちなどにも挑戦した。そんな中で私は、彼女が日本の音楽やTVドラマなどをよく知っているということにとても驚いた。私の好きなアーティストが一緒だったので、共通の話題を持つことができ、楽しい時間を共有することができた。そしてそれを知った父が、私と彼女を映画に連れて行ってくれた。私は彼女とお揃いのノートを買った。お揃いのノートを持つと、彼女が私のお姉さんになったような気がした。プリクラも一緒にとった。アメリカにもプリクラはあるけれどデコレーション機能は付いていないと言って、とても楽しそうにデコレーションをしていた。また、妹と太鼓の達人のゲームをしたりビンゴゲームに

 日本独自の文化を紹介することは、とても大切なことだ。でも同じ十代の学生として、同じ目線でいろいろなことを一緒に経験することによっても相互の理解を深めることができると思う。

 私は今回の体験から、国際交流とは何かということを改めて考えた。交流とはお互いの国の文化や習慣などを学び合うことだと私は考える。学び合うためには、人と人とのふれ合いが一番大切だと思う。言葉は通じなくても、ありがとうという気持ちや、うれしいという気持ちは笑顔を見せるだけで伝わるのだして、同じ目線でいろいろなことを一緒に経験することによっても相互の理解を深めることができると思う。

 私は今年の夏にできた新しい友達と、これからも交流を続けていきたいと思う。

Copyright(c) 2013 The Osano Memorial Foundation. All Rights Reserved.