第19回最優秀作品(小学校の部)
第19回国際交流・国際理解のための
小中学生による作文コンクール最優秀作品(小学校の部)
私が考える国際理解について
中央市立三村小学校6年 川瀧 紗英子
私が国際理解に興味を持ったのは、父の仕事の関係で、約一年、スウェーデンに滞在したことがきっかけでした。なぜなら、通っていた学校はインターナショナルスクールで、一つのクラスにいろいろな国せきの人が二十人程いたからです。最初は、大きなとまどいを感じました。それは、日本では見たことも、聞いたこともない国出身の人がたくさんいたからです。しかも、その学校で使っていた英語が全く分からなかったからです。でも、身振り手振りでコミュニケーションをとっているうちに、友達もでき、先生方も私を分かってくれるようになりました。
その学校には、私のクラス全員で協力して作った世界地図があります。国名、首都、国旗を描いて、大きな世界地図に貼り付けていったものです。それを作り上げたときに感じた達成感は、今も忘れることができません。このことをきっかけに、共同作業をした友達との仲が良くなりました。そして理解がますます深まりました。
夏休みが始まる少し前に、ホームステイに来ていたアメリカ人が学校を訪問に来ました。その時は、ちょうど算数の授業時間だったので、図形遊びをしました。私はとなりに座って、一緒にしました。
国せきの異なる人が、短時間で互いに分かり合うことは難しいと思います。第一に、言葉が違います。また、国の気候や地域により、文化や歴史、食べ物なども違います。しかし、一番の問題は、相手を自分と重ね合わせて考えてしまうことだと思います。自分の暮らしていた環境と違うので、同じ物事に関する考え方も、違うと思います。そもそも、全く同じ考えを持っている人間などいるはずがありません。だから、考え方が正反対でも、「あの人は私と合わないから遊ばない。」とは言わずに、「あれがあの人の個性的な考え方だから。」と認めてあげればいいと思います。
でも、世界共通の対話方法もあります。音楽や、芸術などです。体や手を使ったコミュニケーションもできます。また、喜びや悲しみを分かち合うことも、その一つだと思います。心で感じたり、考えたりするものだからだと思います。何かに一緒に挑戦すれば、必ず感情が生まれると思います。さらに、相手との共通点や、違いを見つけることもでき、理解し合うことにつながると思います。私は、理解し合うということは、お互いの心がふれ合うことだと考えます。それで、相手に対する恐怖心や、警戒心も消え、楽しいと思います。
最近、山梨県には外国人が増えてきています。だから、交流する機会も多くなると思います。たとえ自分と違う生活をしていても、仲良く、楽しく交流し、国せきに関係なく信頼できる関係をつくりたいです。
国際理解は、個人だけのものではなく、世界でしなければならないと思います。これから、世界で友好的な関係を築き、世界全体が協力して、平和で安全で、平等な世界をつくってほしいです。
人間は十人十色です。そんな生き物同士がうまく付き合っていくのは、たとえ同じ国せきでも大変だと思います。でも、何かをみんなで協力して成しとげたり、遊んだり、話したりすれば、つまり、生活を共にしてみれば、自然に相手のことがだんだん分かってくると思います。
私たちが日本人として誇りを持っているように、他の国の人も、自分がその国の国民であることを誇りにしていると思います。だから、自分を大切にするのと同じように、一人一人の立場や、考えを大切にしていきたいです。
以前、私は、自分のできないところはできるだけかくしていました。でもこの作文を書いて、人間は一人一人違う個性を持っていることを、改めて自覚しました。自分をかくさなくても良いことに気付いたのです。今からは、自分にも、他の人にも正直に生きていきたいです。